Saturday, 9 December 2017

TOEIC頻出単語! address (動詞)

「宛先」と「ドレス」の意外なつながり

dress_address: 意外なつながり
We would be delighted to address any queries you may have.
「ご質問がありましたら何でもお気軽にお問い合わせください。」
=====
addressという単語は、名詞の「宛先・住所・メールアドレス」の意味では誰もが知っていると言って良いだろう。

一方、上に挙げたような動詞用法:「(質問・問い合わせなど)に応える」は案外知られていないようである。

【語源】

ad- "towards"「〜に」+ -dress "direct"「まっすぐに」
→ [名]: 配達先・宛先 / [動]: 〜に向けて直接ことばを向ける

"address (your) queries"「質問に応じる」といった表現は、ビジネスメールなどで目にすることも多く、TOEICでも頻出。「アドレス」から動詞の意味も導きやすいので、併せて記憶しておくと良い。

=====
語源で示した通り、dressは directと関連があるため、身に着ける dressも実は「まっすぐ」に由来している。

すなわち、「ピシッと(まっすぐ)整える」→「きちんと着せる」→「着せる行為・服」のような意味の成り立ちを持つ。

=====
一見すると似ても似つかない 2つの単語でも、語源を辿ってみると意外なつながりが浮かび上がることがある。

漢字でも、同じ部首を持つものに関連性が見出せるのと同様、英単語も「成り立ち」を意識すると共通イメージを元に記憶しやすくなる。

ぜひ、辞書を深く「読み込んで」活用しよう。

★Here is the Path to Wonderland☆

辞書は語義よりも語源欄や囲み記事が「宝の山」

ガリレオが発音に興味を持ったのも、中学生時代に学校推薦で買った英和・和英辞書に「発音記号の大体のイメージ( /uː/ はひょっとこの口で「ウー」など)」を解説したコーナーがあったの最初のきっかけでした(^o^)


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Friday, 8 December 2017

英文法Q-A: The firefighters heard the windows breaking. → 尾崎くんのせいではない!

先日、以下の英文の breakingについて質問を受けました:
When the firefighters went into the building, they heard the windows breaking.
When the firefighters went into the building, they heard the windows breaking.

質問の趣旨は、「窓は勝手に壊れるのか?・何らかの外的要因によって『壊される』対象(= breakという行為の影響の受け手)なのだから brokenなのではないか?」というもの。

■ 自他交替(使役交替)のできる動詞について

結論から言えば、確かに窓が勝手に割れる状況というのは現実的ではないにせよ、上の例文では breakingが自然と考えられる。もっとも、brokenを用いて表すべき状況も考えられるが、窓が割れる原因について異なる想定が生じる。

図1に見られるように、breakfreezeといった動詞(能格動詞)は、「人や原因 (x)が対象 (y)に働きかけることで、対象 (y)が変化して結果状態 BROKEN/FROZENに至る」という意味構造を持つ。

すなわち、break「壊す」という行為が成り立つには、その対象は BROKEN「壊れる」という状態になっている必要があり、同様に freeze「凍らせる」と言うからには FROZEN「凍った」という結果状態に至らなければならない。

自動詞の意味構造(影山, 2001)
影山 (2001)『日英対象 動詞の意味と構文』p. 33 より

このような <行為・活動> → <変化> → <結果状態> の全てを自らの意味の中に含む動詞は、自動詞用法と他動詞用法の両方を持つ(自他交替または使役交替と呼ばれる文法現象)

影山 (2001)『日英対象 動詞の意味と構文』p. 34 より
  1. John broke my computer.(break: 他動詞用法)
  2. My computer broke.(break: 自動詞用法)
  3. 子供が障子を破った。(破る: 他動詞用法)
  4. 障子が破れた。(破れる: 自動詞用法)
2, 4で表される状況においても物理的には何らかの外的な原因があるのだろうが、言語表現としては「対象 (y)の変化」に強く注目して情報を伝えるものとなっている。

また、同じ「破る/破れる」という動詞でも、
  1. *{約束/世界記録/契約}が破れた。
とは言えないところから、2, 4では「コンピュータ・障子」という主語名詞句それ自体が持つ内的な性質が変化を引き起こしている(かのように見なされている)と考えることができる。

■ 「熱割れ」が原因であっても…

改めて冒頭の例文:
When the firefighters went into the building, they heard the windows breaking.
を考えると、この文の言わんとしていることは、「消防隊員が(火事の現場である)建物に入った時に、窓が割れる音を聞いた。」ということであろう。

火事場などで窓が割れるのは「熱割れ」と呼ばれる現象だそうで、物理的な外的要因は熱ということになる。しかし、ここでも「熱によって割れる」という窓ガラスの持つ内的性質に起因する状態変化に注目して情報を伝えたいのであり、熱の作用について語りたいのでない。

したがって、The windows broke.「窓が割れた。」という breakの自動詞用法を基にして "知覚V+O+~ing"(Oと~ingは SVの能動関係の構造に取り込むと、breakは現在分詞の breakingという形になる。

brokenを用いると?-尾崎くん(仮名)が登場

では、能格動詞の自動詞用法 (6)と受動態 (7)ではどのような違いがあるのだろうか?
  1. The windows broke.
  2. The windows were broken.
上で見た通り、6における窓の状態変化は、窓ガラス自体の内在的性質によって生じていると見なされる。裏を返せば、実際の物理的な行為者または原因は無視され、行為者/原因 (x) = 変化対象 (y)と同定されていることになる。

このことは、6に動作主を導く by句を別途つけ加えることができない事実からも示される:
  1. The windows broke (*by him / *by the heat).
一方で受動態の場合は、省略される場合こそあっても、動作主の存在は想定されている:
  1. The windows were broken (by him / by the heat).
したがって、もしも When the firefighters went into the building, they heard the windows broken. と言ったとしたら、"知覚V+O+p.p."(Oとp.p.は受動関係の構造において、窓は(明示されていないが)何らかの行為者または原因によって「割られた」のであり、消防隊員はその際に発生した音を聞いたことになる。

可能な解釈の1つには、そもそも the buildingが火事である必要すらなく、消防隊員が偶々そこに入った時に、盗んだバイクで走ってきた尾崎くん(15歳・仮名)によって窓ガラスが割られた音を聞いた…というものだってありうる(笑)

☆Here is the Path to Wonderland★

あいつが割ったんです!( ゚д゚)σ

【参考文献】
影山太郎(2001)『日英対象 動詞の意味と構文』,大修館書店,東京.



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Tuesday, 28 November 2017

上智大学文学部英文学科 合格! (mirioさん)

ガリレオ研究室「本物の高校英語」レッスンを継続受講中で、昨年は英検準1級にも合格した mirioさんが、上智大学文学部英文学科の推薦入試で見事に ☆合格☆ を掴み取りました!

↓↓↓ mirioさんご本人およびお母様からの感想はこちら(画像をクリック)↓↓↓

上智大学文学部英文学科 合格!

春先には大学入試への不安も覗かせていましたが、志望校への【憧れ】を胸に着実な努力を重ね、ガリレオの求める高い水準の和訳・英訳答案を目指して指導内容を吸収していった結果が実った、非常に嬉しい報告です!

この【憧れ】というのは、ガリレオ自身が高校時代の恩師から学んだもの。志望校への憧れが弱いと、例えばこれからの入試直前期に、模試の判定やセンター試験の出来によって、極めてあっさりと「あの大学やめてこっちにするわ。」と目標を下げてしまいがちになってしまう。

しかし、一度そのように気持ちを緩めてしまうと最後、雪だるまが坂道を転がるが如し。結局は本人にとって「行ける大学」に過ぎない進学先にテキトーに収まることにしかならなくなってしまう。

その意味でも、「行きたい大学」への合格を勝ち取った mirioさんの結果は尊い。ぜひ大学でも大いに学び、さらに見聞を広めてほしいと思います。

☆Here is the Path to Wonderland★

英文学科に進学するような英語好きの生徒にこのように支持してもらえるのは非常に嬉しいことです(^_^)v

とは言えもちろん、ガリレオ研究室の「中学・高校生向けレッスン」では、どのような進路を志望する学生でも大歓迎です!特に理系の生徒には、英語学に基づいた論理的な説明がきっとハマるはずと自負しています。

「暗記強要」でも「こじつけ解説」でもなく、学術的に真っ当な理解を元に英語を得点源としたい学生はぜひ、ガリレオ研究室の門を叩いてほしい。



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Saturday, 25 November 2017

IELTS初受験結果:Overall 7.5

2017/11/11 (土) ポッキー&プリッツの佳き日に、IELTS (for UKVI)を受けてきました。
※ちなみに、ガリレオ自身として英国ビザ申請が必要ということでは(現時点では)なく、IELTS指導を頼まれたのに際し受験経験が今までなかったため。


IELTS-Result_2017/11/11 L:7.5 R:8.5 W:6.5 S:7.0


そのような事情での受験ということもあり、試験日の2週間前ギリギリでの申し込みで、準備期間も充分に取れたとは言えない中での結果としては、overall 7.5 (L: 7.5 / R: 8.5 / W: 6.5 / S: 7.0)というのは "最低限"妥当な数字は出せたかとも思いますが、「本物の英語教師」ガリレオとして "満足いく"ものとは言えない箇所の残る結果ですね…(- -;


■ Writingの結果-試験と論文

Writing 6.5に関しては、ガリレオ自身として「英語ライティングが不得手」という意識は全くないのですが(あったら英語論文なんて書いていられない)、要は論文・レポートのように時間(というか期間)をかけ、様々な文献や資料にあたった上で自論を構成し、辞書なども活用しながら展開していく形の方が得意だし好きなんですよね。

一方で、制限時間で急かされて書かねばならぬ…というのは、英語に限らず日本語でもあまり得意ではない_φ(-_-;  勘の良い読者諸君であれば、このような投稿の端々からもガリレオの執筆スタイルを感じ取れるであろう。

とは言え、IELTSをはじめ各種試験で必要になるのは「時間内に書き上げる力」であることは変えられないので、この点はそれなりに対策を講じて再挑戦してみたいところである。(ただし下記の通り、「テスト対策」によってではなく、新たな英語論文を執筆する中で英文構成の速度と精度を上げていきたいところである。)

■ いわゆる「テスト対策」と、自分が必要とする能力について

今回の"対策"といえば、とにかく「Writingにおいて20分で Task 1・40分で Task 2を書ききること」に特化して実際に何度か書いてみることと、「Listeningの書き取り問題に慣れておく」くらいのものだったので、逆に言えば然るべき英語の実力をつけておけば相応の結果は出せるとも言えよう。

もちろん、各テストで求められる力を発揮できるように、できるだけ良い準備を施しておくことは大切である。だがそれは、スマホで言うところの「アプリ」であり、それを動かすOSのスペックに載せてこそ。

ガリレオにとって必要で実用的な英語の writing能力とは、第一義的には「国際的な英語学会誌で賞を狙えうる英語論文を書き上げる力」であることは変わらない。よって、今回 IELTSというモノサシで測定した際の Writing 6.5は不満足ではあるものの、だからと言って『IELTS Writing スコアアップ対策』の類に走るつもりはさらさらなく、むしろ暫く離れてしまっている研究発表・論文執筆への熱意が再燃している(もっとも、こちらの方こそ一朝一夕にできるものではないが…)

★ Here is the Path to Wonderland☆

テストスコアも大事(UK visa申請をする人にとっては、ある意味では死活問題)だが、本物の目的を見失ってスコアアップを目的化してはいけない。例えば visa申請なら、それが通った後に英国での生活に堪えうる力を伸ばし続けなければいけない環境にさらされ続けるわけで、必要最低限のスコアが取れれば万々歳…となることは決してないのである。


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Wednesday, 8 November 2017

Taylor Swiftの新曲 "Call It What You Want" ~ fit, fly の意味がわかりますか?~

11/3にリリースされたばかりのテイラー・スウィフトの新曲。

サビの歌詞に fit, flyという語が使われているが、ここでの意味をきちんと把握できるだろうか?
My baby's fit like a daydream
Walking with his head down
I'm the one he's walking to
So call it what you want, yeah, call it what you want to

My baby's fly like a jet stream
High above the whole scene
Loves me like I'm brand new
So call it what you want, yeah, call it what you want to
単語だけ見れば、多くの人が「知っている」と答えるであろう。しかし、サビの歌詞での使われ方を見ると、その知っている「はず」の意味ではおかしい…となるはずなのである。

そこで、自分の「知っている」という思い込みをリセットし、文法・意味の面から頭を使った上で改めて調べてみることで、学びが生まれるのである。

1. fitについて

形容詞の fitというと、まず思い浮かぶのは "healthy"の意味(「フィットネス (fitness)」などと関連)だろう。

しかし、like a daydream「(白昼)夢のように健康」というのはイメージが湧かない。また、my baby(この場合は「彼氏」の意)のことを語るのに「健康で…」というのは、Taylorの年齢を考えればババ臭すぎる( ̄∇ ̄;

そこで改めて fitを辞書で調べてみると:
(BrE, informal) sexually attractive  [OALD / BrEとはイギリス英語のこと]
《俗》(性的に)魅力的な [ジーニアス英和辞典]
という語義がちゃんと見つかる。

2. flyについて

flyを見て、反射的に「飛ぶ」だと思ってはいけない。(かと言って「ハエ」は尚更あり得ない)

この歌詞では、 fitと同様に be動詞の後に来ているので、動詞の flyがこの形でこの位置に現れることはあり得ないのである。

よってこの時点で「自分の知っている『飛ぶ』の flyではない用法があるはずだ」と引っかからなければいけない。

1行目の fitと同じ構造が繰り返されていることから、この flyも be動詞の補語 (C)としてはたらく形容詞と判断できる。

そこまで考えた上で flyの形容詞の項目を調べてみると:
(NAmE) fashionable and attractive [OALD / NAmEはアメリカ英語のこと]
《略式》かっこいい,魅力的な [ジーニアス英和辞典]
と、こちらも正しい語義が見つかる。

つまり、このサビではイギリス英語とアメリカ英語の slangを用いて「私のカレって魅力的!」ということを歌っているのである。

※ちなみに、イギリス英語とアメリカ英語の両方を用いているのは、"My baby"が Taylorの恋人のイギリス人俳優を想定しているからと考えられる。

★Here is the Path to Wonderland☆

  1. 既存の知識を当てはめた時の違和感をキャッチして
  2. 自分の頭で思考を巡らし
  3. それに基づいて調べて確認する
…というプロセスを面倒がらずに行うかどうかが、結局は(語学に限らず何事においても)学びを加速させる重要なファクターなのである。


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Monday, 6 November 2017

Yahoo知恵袋で紹介され(てい)た件

■ 幅広いレベルや希望に対応してくださるそうです。

最近知ったのですが、ありがたいことに、Skype英会話を検討しているという中学2年生にガリレオ研究室を紹介してくださっていた方がいらっしゃったようです(^^)v
中学2年の女子です。英会話を習得したいと思っています。
Skypeレッスンに対する懸念として「私だったらWebカメラの死角で携帯をいじったりしてしまいそうです^^;」というコメントもされていますが、一般的な "Skype英会話スクール"であればいざ知らず、ガリレオ研究室では無用の心配というもの。

レッスンを一度でも受けていただければ、(辞書アプリや授業に関連する内容の調べ物をするといった使い方は別として)携帯をいじれるだけの処理資源が残らないほどに脳がフル回転せざるを得ないと実感することになるでしょう( ̄∇ ̄)

■ 「英会話を習得したい」→ 英会話レッスン…の落とし穴

また、相談者の中学生は「英会話を習得したい」というのが目標であるわけですが、では(ネイティヴであろうが日本人講師であろうが)英会話レッスンを始めて場数を踏めば良いかと言えば、そう単純な構造ではなく、早い段階で行き詰まってしまうことが予想されます。

そのような "普通の"英会話レッスンで、よくありがちな自己紹介からスタートして、道案内のロールプレイなどと進んでいけば、最初のうちは中学英語で学んだことを実践できて楽しめるかもしれない。しかし、「ただ覚えたものを言うだけ」では次第にストック切れを起こすし、予想していない会話の展開に当意即妙に対応できるような発展性も望めない。

ガリレオは、自身の英検1級取得という結果自体は「本物の英語教師」として当然のレベルを示したものとしか思っていないが、二次試験の Interaction(臨機応変な応答)の評価項目における 27/30点については多少誇れるものと自負している-事前に用意した Speech原稿集の丸暗記で合格点を確保したような連中とは異なるということ。

それを踏まえて断言するが、「英会話」の力を伸ばしたいのであればこそ、まずは相手の言っていることを正確に捉えて理解するための自身の発音力リスニング力、また自分の伝えたいアイディアを使いこなせる構文に持ち込むための英文構成力と、それを支える英語の読書量がものを言うのである。

★Here is the Path to Wonderland☆

このように、ガリレオ研究室の発信するものを見て、評価して、なおかつ人に紹介してくださっている方の存在を知れたのは、今後の活動に向けて大いに励みになることでした。

ありがとうございました!m(_ _)m


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Tuesday, 31 October 2017

Pleaseという病:日本人英語のどうかしている誤解

Mind the Gap


London Underground (tube)で耳にする典型的なアナウンスといえば、
"Mind the gap."「電車とホームの隙間にご注意ください。」
が真っ先に挙げられる。Mind~と始まっていることからわかる通り「命令形 (imperative)」が用いられており、the gapというのは「話し手(アナウンス)と聞き手(乗客)の間で共通認識される『隙間』」を表しており、何を指しているのかを特定するには文脈を参照する必要性が生じる。

一方で、日本で電車や地下鉄に乗っていると、"Please watch your step when you get off."やら "Please change here for the OO line and the XX line."のようなアナウンスを(どの鉄道会社でも)耳にする。

これを見て「ロンドン交通局は不親切で不躾だ!」と憤るのは早計であり、むしろ "Please病"に罹患してしまっている症例である。

Please = 「どうか」

Pleaseを「どうぞ(〜してください)」という日本語に相当する表現だと誤解している学習者は非常に多いが、実際には「どうか」の方が近い。歴史的には if it please you「御意に叶いますならば・差し支えありませんでしたら」にさかのぼる表現であり、聞き手にとってはマイナス(手間など)になることを要請する際に用いるスイッチなのである:
(1) It's cold in here.
(2) Please, it's cold in here.
(1)は「この中は寒い」という単なる事実を述べているだけでもありうるし、発話状況によっては「窓を閉めてください」や「暖房をつけてください」などの意図を表すこともできる。言い換えれば、(1)単独では話者の意図を特定することができないのである。

一方で (2)のように文頭に Pleaseを置くと、「どうか、『寒い』という状況を改善するための何らかの行動をとってください」と聞き手に要請する解釈に限定される。

どうか乗り換えてくださいm(_ _)m

これを踏まえて冒頭に挙げた日本の電車アナウンスを再考すれば、pleaseをつけることで丁寧どころか奇妙な印象を与える結果になっていることが理解できるであろう。

足元に気をつけることによって利益(安全)が得られるのは、聞き手である乗客であって話し手ではないし、鉄道会社に請われて電車を乗り換える人もまずいないだろう。

※ 付言すれば、"Please change here for the OO line and the XX line."では文中の andも「両方とも」を表すために違和感を生む。忠実に日本語で表すと「どうか、私どものために、ここでOO線とXX線に同時に乗り換えてくださいm(_ _)m」という意味になる。

疑いと検証の姿勢を

日常生活の中で繰り返し見聞きすることで、知らず知らずのうちに刷り込まれてしまうような日本国内にある "英語表現"は、残念なことではあるが、まず疑ってかかった方が懸命と言える。

今回紹介したような、誤解に基づく奇妙な "英語表現"は、日本語をそのまま英語に「置き換え」ようとすることによって生み出されてしまう。そうではなく、「日本語でこのような言い方をする状況において、英語ではどのような表現を用いるのか?」ということを常に確認することが大切。そうすれば、英語文化では「相手の益となることは『命令形』でさらりと言えば事足りる」ということや、「文脈から特定できる対象はくどくど言わず、the gapのように必要最低限だけで済ます」ということが見えてくる。

☆Here is the Path to Wonderland★

◯◯鉄道さんの頼みなら、一肌脱いで乗り換えてやろうってぇじゃねぇか!

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(参考文献)


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